星霜軒花日記

「星霜軒花日記」

御代田から栗平へ帰ると、庭が茶花畑になっていました。

十年前、母がいたころは百種以上の茶花を数えた庭。年々花が減りつづけていましたが今夏、生まれ変わりました。

花が茶室で初めてお客さんと出会うように、茶人ならば人目に触れないところに茶花を育てるのがセオリーかもしれませんが、我らが庭師、秦さんは発想が自由です。

花が道行く人と季節の挨拶ができるように、生け垣の根元をはじめ、外露地にも茶花を植えてもらい、私たちもそれに便乗して先ごろ苗を植えました。

うつりゆく季節と、いのちのきらめきを無限に見せ、教えてくれる場所を、ここに暮らす私たち、そして星霜軒を訪ねてくださる人たちと共に育んでゆきたいと思います。