ようやく野に帰り深呼吸
足りなかった何かを拾いに…
足の裏で何度も何度も地球をノックしたら
扉を開いて春の野に迎え入れてくれました
近くの農園を散歩すると
青空の四方から鶯の初音を浴びせられ
身体中の耳(!?)が一斉に春の音を収穫し出しました
目には見えていた春の実態を
音と手触りで確かめて
ようやく私の心と身体が暦と一致しました
素気なき法華経授く初音かな
ホケキョ…節回しのない一声(笑)
短い説法で屈託を洗い流してくれました!
初夏には演歌を聞かせてね
幼子の 髪撫でるよに 蓬摘む
ふわっふわの柔らかい蓬の葉…
家族で摘み草した多摩川の川原
髪で鼻をくすぐる春風や
草餅を衝く手応えの記憶を呼び覚ます柔らかな青匂さ…
姿勢よき 紫花菜 老師想ふ
草原にスキッと背の高い濃紫を見て老師の法衣姿を思い出す
紫埜を退き小閑を名乗りつ
朝夕の勤行にゆるび無き姿を思い出させる諸葛菜(むらさきはなな)
蕗の薹 遅れてごめん ほろ苦し
この季節を待っていたのに…
少し摘むに遅かりし蕗の薹でしたが一掴みだけ持ち帰り
蕗味噌にして白粥に乗せて頂きました(合掌)
歳月は人を待たず
暦は各駅停車で超特急…
抗わず流され運ばれつつ
感じて生きて行きましょう
過去長し未来短し蕗の薹
ああこれは俳友で茶人の佳句…
この句にドキリとしてから
気づけばツイーっと、十数年が経っているけれど
長い過去も佳いものです
また句を交わしたくなりました