古峯合宿2019

古峯合宿2019.9.9
三年目の首都大茶道部合宿
月曜日のラッシュを避けるため
前泊してみました

台風接近でキャンセルが相次ぎ
なんと私たち二人の貸し切りに!

食事も常と違い個室に案内され
男湯、女湯をそれぞれ独占し
静けさと清らかさを欲しいままに
ゆーったりさせて頂きました

しかし肝心の学生達が翌朝
台風15号に半日、足止めされ
特急は終日すべて運休になり
待つこと数時間の挙げ句
鈍行で倍の時間をかけて鹿沼へ…

なんとか夕方5時代のバスに乗り
家を出てから8時間越えで
ようやく神社にたどり着きました

こちらは大きな影響なく
朝のご祈祷から食事まで貸し切り

岩木造園の素晴らしい園内を散策
しゃがみこんでは苔を愛で撫で
昼は門前の天狗屋で手打ち蕎麦

茶花を求めて歩き
茶室で道具を出しつつ
福富先生とお茶を喫み歓談

学生たちに申し訳ないやら
心配やらで
日暮れて到着したら何はさておき
食事とお抹茶で落ち着いて欲しい!

宿泊施設の自主練部屋に釜をかけ
小卓をしつらえ
お土産菓子のかもめの玉子を用意

ようやく集合して一緒に晩御飯が頂けて安堵しました✨

『大変だったけど、二度とできない体験でした☺』と元気、
『これから目一杯取り返します❗』
キラリと笑顔で言える若さ

茶道部の連中は大人しいけれど
中身は熱いなあと嬉しくなりました

夕食後は広間で茶会
宿の浴衣に赤い帛紗が灯る一年生のお点前で一座建立
疲れも見せずに背筋を伸ばして茶筅を振る姿は神々しい✨

ミニ講座にコンパもこなし
ようやく長い一日が終わりました
おやすみなさい

古峯合宿2019.9 ~その2~

何度みてもその度に新鮮で
ついついカメラに納めたくなる景色です

確かに色彩はよく写しとれていますが
風、光、水、匂いや、それらの絶え間ない揺らぎは写真には全く写しとれません
この世界を肌で知っている方は
それぞれに再現して感じてくたさるかも知れませんね✨

初日は夕飯、入浴後に
熨斗の書き方を稽古しました

世間を飛び回り働くお金を
白い和紙に包んで世塵から隔て
清浄にして休める…
袋に短い言葉を添えることは
言葉に込めた気持ちを送ることにつながる熨斗の文化

『折り形』というデザインの文化や
武士の贈答の歴史にも触れながら
今に伝わる熨斗袋の習慣や
そこに込められた意味を話題にしつつ
懐紙や熨斗袋に筆ペンで何枚か書いてみました

それまでは意味を感じていなかったかも知れない袋のデザインや言葉
意味を知るのは
謎解きの楽しさがあります

その下に、丁寧に伸びやかに書く自分の名前の意味も改めて意味を成して来ます
まだ顔と名前がさっと一致しなかった一年生の名前の由来など聞くきっかけになり
翌日からは花月の稽古でも
とっさに下の名前で呼び掛けられました☺

あのミニ講座が、いつか彼らの人生の節目節目で、運を拓いてくれますようにと願いを込めて…
(もちろん『束脩』と書いた熨斗を持ってきてくれることも神々に祈祷しました(笑))

二日目は先ず花寄せをしました
たくさんの籠を並べて
昨日二人で探し回った草花に
ご用意くださったお花を合わせ
花台に盛る秋草は収穫祭の気持ち

露を湛えた自然の輝きは
何よりのご馳走…
見ているだけで『命』を戴く感謝で体が満ち足りていきます

皆が花を入れる真剣な眼差しも
ひとつの『自然』ですね
それが美しいと感じる私の心も
どうしようもなく『自然』です✨

午後は花月をメインに体をたくさん動かしました
痺れも暑さも、薄茶の美味しさも!
いまここに生きている実感です

洗い茶巾やお棚や
特殊な水指の扱いも稽古して
夏季の総おさらいに汗を流し
あっと言う間に二日目も暮れました

茶室を出る際にゲリラ豪雨的夕立…
ずぶ濡れになり草履はお釈迦に
足袋は泥

中広間で自主練のあとは
私達の希望?半ば無理矢理?に
俳句講座とミニ句会をしました

前回の合宿で
『茶杓の銘の付け方を勉強したい』
という感想が出た際に
『歳時記に親しんでください』と。

帰ってから、言いっぱなしでは駄目だなあ、と…
幸い、紙とペンさえあれば何処でもできるのが俳句の素晴らしさ❗

席題を『月』一切で
兼題に『野分』を、
1人三句出し、三句選としました

初めての試みでしたが全員しっかりルール通りに運び
無事に披講まで終わりました!スゴイ

台風に足止めされた昨日の長旅を
赤トンボで爽やかに仕立てた句や、いにしえに思いを馳せる句など…

若い茶人の感性に触れ
令和の初合宿の慶びひとしおです✨

写真も禅語も俳句も、然りです
圧縮ファイルに込められた『自然』を瞬時に解凍して感じることができるのは
それまでに蓄積した実感の積み重ねに他なりません

私も残る時間をたくさんの詩作に当て
茶杓を削り
句を詠み
床をかざり
茶を点て
お人と交わろうと祈念しました

風景の次に残したくなるのが
学生の真剣で無我の表情…
毎度、指導を辞めて(笑)カメラマンに専念したいと思ってしまう!

いけない、いけない、
私たちここから十年は
先ず必死にお伝えするお役目を果たさねば、、、

その次の十年は
彼等にお招きいただくのです✨

いつか、この日の句銘のついた茶杓に巡り会えますように😀

古峯合宿2019.9  ~その3~

最終日、三日目は合宿茶会

初めて、支度には参加せず
席入り時間に呼ばれました✨
(夢にまた一歩近づきました)

茶室の先生もお招きし
三人連座しながら話に耳を傾け
お茶をいただきました

茶道研の代表、かんなさんは
二日後から半年間の留学が決まっています
現役最後のお点前でいただいたことも佳き思い出になりました

残る時間も惜しんで花月を二回
寸暇を惜しんで稽古し
隙あらば支度し、あるいは片付けをして
茶室でも水屋でも
それぞれ皆が主人公でした

昼食は最終日恒例の牛丼🙂
バスに乗る瞬間にまたどしゃ降り‼️

しかしすでに誰もブルーにはなりませんでした
台風も夕立も雷も、
今年の古峯合宿を象徴する風物です

窓を洗う雨越しに
緑色の濃淡を眺めながら
今年の合宿が印象派の絵画に仕上がるのを心豊かに眺めているうち
うたた寝に入っていました

お疲れさまでした