一年坊主の柚子くん

炉開き前にうっすら色づいていましたが
一連の行事を終えて庭におりると
柚子の黄色が増して、燦々と誇らしげに輝いていました

今年の春にこの露地を造るとき
造園の方に反対された三つの事柄は
水琴窟、木戸門、そして柚子を植えること

三つとも押し通してしまいましたが…
ゆえにこの三つはいっそう可愛く
愛着をもって愛でています

柚子はなかなか成らないのだと言われました
夏に小さな小さな花を見つけては
頑張れ頑張れと声をかけ続けました

秋に小さな実を見つければ
息をころして見つめながら
線香花火の玉を見るよう
落ちないで落ちないでと念じました

あるとき小さな実が地に落ちていて
暗雲立ち込める心で淋しがりつつも
おチビさんを食卓に飾り
この子に逢えただけでも
植えてよかったことにしようと
思い決めたりいたしました

一年坊主の柚子くん
初年は12個の実を実らせました
すごくないですか?
親バカですが本当に頑張ってくれたと
感無量です(苦笑)

可愛くて可愛くて頬擦りしたいけど
まだそっとカメラに納めただけ

枝にしっかり掴まり立ちしているうちに
見に来てあげてください

全然香らなかったらどうしよう
中がすかすかだったらどうだろう

莫妄想

ただ一生懸命の命をながめて
今日を生き抜く力をいただきました