ご報告 五島美術館「○△□茶会」松寿庵

2018.3.31

世田谷の五島美術館にて「○△□茶会」があり、私ども星霜軒は、松寿庵にて釜をかけさせていただきました

自分が育った町の桜の下で、師匠である母を客として招き、吉森社中で釜を掛けることは、不思議な感じで夢見心地の一日でした

煎茶方円流の蓮江倖園先生、表千家の岡田宗凱旋先生とご縁からいただいた好日

茶会終了後には、三社中でご一緒に記念撮影。
半世紀も同じ町で見続けた垂れ桜もこの日は格別。邂逅の感がありました

集合写真は、明治座公演のチラシのよう…?

感謝に溢れた日
おでましくださった皆様、本当にありがとうございました

三者で開く茶会、なにかよい名前はないかと下見と顔合わせした日
吉森が口にした○△□がそのまま茶会名となりました

形が違うと
人はつい違うものとして認識し区別したがるけれど
食パンを○に抜いても
△に切っても□のままでも
パンはパン
線で囲った中身は同じ
流派やお茶の製法や点茶法は違っても
真ん中にあって目には見えない部分
「お茶の心」は同じだと感じました

○い艶やかな蓮江先生のお席
□く広い岡田先生の世界
△で宇宙パワーを受ける星霜軒の小間

小さな三つの春を巡る旅の茶会

私たちは天台山の寒山拾得の二人を訪ねる旅でした
軸の中村不折の絵から始まり
ロートレックの没年と
不折のパリ留学の年号の符合に膝を打ち
不折揮毫の新宿中村屋の看板に納得したり
中村屋サロン美術館を訪ねては
地下のカフェで安曇野牛乳とクリームパンでお茶し
寝ずに語らった寒山詩の意味

岩や樹にさえ詩を書き散らした寒山
料理と落ち葉掃きに明け暮れる拾得
それではまるで星霜軒の二人だねと
くつくつと不気味な笑みを浮かべて過ごした日々…

この日に向けて
禅と文学と絵画に導かれたイマジネーションの旅は
広がりと繋がりを繰り返し繰り返し
私のふるさと上野毛の地で
茶会の終了と同時に
永い旅を終えました

浩浩と光る水を湛える
静かな大河を
ゆっくり舟で下るような旅路…

お茶は
無限の発見と喜びをくれ
同時にたくさんの宿題と
それを探る少しの時間と心に余白をくれる

また次の旅に出よう✨