2018 夏の休日 vol.2

くりひらいふ出張編

休日日記 その2

荷ほどきしたら
二件先の小さなスーパーで
朝食の材料を買い物しにいく
初めてのお遣いは小さな冒険
出入り口や鍵の開け閉め
新しい紙幣の使い方
値段の見方や単位
目当ての牛乳の種類を見分けるには…
などなど

白い小部屋から小箱のようなエレベーターで下ると、同じアパルトマンに
長年の友人夫妻が住んでいたりしたら理想的…

いつか描いた夢物語は、ある日ふいに現実になっていました
自分が書いた小説の中にさ迷い込んだ気持ちになる

ワイン片手に語らう吉森のレア写真
機内食で疲れた胃をなぐさめる素麺のもてなし
ちょうど百年経つという古時計が
時を止めたまま静かに
私たちの会話を聞いています

アパルトマンのゼロ階には
タイサンボクやアジサイやアオキ…
ごく馴染み深い種類の木々が繁る中庭

こだまする土鳩の鳴き声は
日本のそれよりかなり嗄れてハスキー…
渋い魅力を醸している

夕闇の空に薄紅が差している
こちらの日暮れは22時過ぎ
こんなに明るい時間がながいと
庭仕事もはかどるだろうなと…
また星霜軒のことを想う

暮らしは仕事
仕事は暮らし

何処にいても変わらない生き方
何処にも馴染む柔らかい自分

町は変わっても
暮らし方は変わらないもの