2023.1.1の祈り


自らに茶を点て合い
神棚に祝詞をあげ
仏壇に香を供え

青天を仰ぎながら
マスクなしで歩いて
丘の上の吉森家の墓参へ
ここは空がとても近い

引く程の
  草もなかりし
     冬の墓

茶事の余韻の有楽椿を供える
空からは遠くの囀ずりだけが聞こえる

憂いなく天を仰げる
地球であってほしい

先祖両親から受け継いだ
この世の平和を
大切にしたいと願う

茶家なれば
 粗飯見繕ひ
   正月膳

大服は常なり
   今日は大福茶

まずは信州市田柿の菓子で一服
続いてもろもろの干菓子で一服

年賀状をしみじみ拝読し
お人の変化を味わいつつ…
吉森の描いた絵も見つける

月面で兎と餅つきをする絵は
舞台女優さんのオーダー(いいなあ)
母の賀状は約80歳若返らせて描く
(かわいいなぁ)

ついに床に両手をついて
「どうか私にもウサギ様を描いてください」
と懇願し「学校」に行ってもらう
(※学校とは絵のアトリエのこと。
映画「モリの居る場所」を参照)

画伯が絵を描く間に
私は年末から引き続きの
お楽しみに一人没頭する

日に焼けて傷んだ床や家具の手入れに
ビーワックス(蜂の蜜蝋)を一缶買った
これとタオル一枚で
延々と家の中で楽しめる
床、壁、家具、道具…
エンドレスな磨きのラビリンス

今日は吉森が台所に立たないので
好きなだけ台所を磨いていられる

怠け者の節句働きとはよく言った
働き者が休んでくれないと
できないこともあるからです

もう五時の鐘かとさっき呟き
次に気づけば八時

時間かけても掃除は魔法
奥様はのんびり魔女です

片付けると空間が生まれ
探していた宝物もひょこっと見つかる

今日は成り行きで天窓の下を掃除して
隙間から棚の中板を見つけた✨
これも磨いて食器棚に据えたら
丸々一段スペースが生まれた

天からのご褒美の貯蔵庫には
茶事用の佳き酒を仕舞うことに

するすると
  暮れて暮らして
       お正月

かわいい賀状の下絵が出来ました✨
カラーになるのが楽しみです