5月末のとある昼下がり
海外からの修学旅行生(小学生)たちに
お茶をふるまう依頼を受けた
前日は箱根に日帰りだという…
団体での忙しい旅程の中で
つかの間の静寂を味わって欲しい
用意された会場は初めての場所
お茶室でなくただ広い和室で
床の間や水屋はなく道具は全て持ち込み
果たして一壺天が築けるだろうか?
久しぶりの原点回帰
『松寿千年翠』(樹でなく寿)
百歳の大宗匠が千年を詠う色紙で
変わらぬ佳さを語る私の
お相手は十歳とちょい…🤭
でもうんうん頷いて聞いているから
十年の中にも衰微や普遍があると気付く
(十進法を旅するひととき)
咲き初めの紫陽花『墨田の花火』を一輪
花火はみんな知っていました
場所は浅草浅草寺前
表は浴衣や着物を来た多国籍の人混みと
人力車とバギーが行き交う喧騒
すれ違うほどの短い時間ながら
なるべく静かなきれいな空気の中で
帛紗の動きや湯気を見て欲しい
茶筅の音を聞いて欲しい…
四つのグループに別れて
野点のようにお点前を囲み
円座して薄茶を一服
本当に短い時間でしたが
後日になり
旅程のアクティビティの中で
一番良かったと感想を頂きました
嬉しいよりも安堵しましたが
10年後20年後の彼らにも
修学旅行の思い出を再評価してもらいたい
彼らの記憶を覗いてみたい
そこに何か在ったのか
お菓子かお茶か
花かお点前か着物か音か光か……
これから十年も
その先の百年も
日本への旅に
静けさと安らぎがありますように
社中の皆さんご尽力ありがとう
終わってからの一服の美味しいこと!
入門二ヶ月の新人も大活躍の日でした
好日をいただき感謝です