日が長くなりました
あまりお天気がよいので露地へ
楓の若葉が繁り始め木漏れ日がよい感じになって来ました
この数日
見知らぬふわふわの狸ちゃんみたいな猫さんが来ている
木戸の向こうの猫座石は白猫のららさんの指定席のはずが
首に青い鈴をつけた狸ちゃんがのんびりと座っている…?
『お宅の猫ちゃんですか?』
早速、通りかかったワンチャンの散歩の方も尋ねて来た
『白い猫さんがいつもはいますよね』
その白い猫様は、つい今しがたまで露地の内側に居たのですが、ふわふわ狸ちゃんを認めると急に背を低くしながら柵の下を忍び足でガレージへ…
あれ?
ここは白猫ららさんのテリトリーじゃない!
いつもなら追い払うか、ジッと睨みを効かして微動だにしないのに…なんでしょう、この逃げ腰は?
ふわふわ狸ちゃん、よほどの猛者なのか?
二人で桜餅でお茶し始めたら、突然、蹲の脇から白い物が飛んできて
目にも止まらぬ速さでそのままヤマモモの樹に駆け上がり、茂みの中に姿を消した!
え?ハクビシン??
(ヤマモモが成ると夜中にやってくるけど、まだやっと花の頃)
近づいて見ると
なんとららさん!
え、あなた木登りできたの?
この十年で樹に登ったの初めて見ました!
ふとみると樹下にあのふわふわ狸ちゃん…
つまり追われて逃げて木登りららさん?ビックリです
でもふわふわちゃんからは
アドレナリンや敵意は全く感じません
むしろ見上げて寂しそうな心外そうな静かな表情…
一方で樹上のららさん
泣きそうな顔でふわふわちゃんと私を交互に見下ろす…
まさか私に助けを求めている?
静かにしゃがんで
ふわふわちゃんに話しかけると遠い目をしてしゅんとしながら
何か記憶の中に入り込んでいるような静止画状態…
ん。
むむ?
うう…む。
なんとなく、なんとなく、ですが
あなたたちは過去に深い仲ではなかったか……
まさか、ららさんが桜のお耳(去勢手術の証)になったのは
近所のマドンナに恋をしたからではなかったか…
マドンナの飼い主さんが二人のために、ららさんの手術をして差し上げたとか
その好意が
ある青年白猫の忘れがたい恐怖体験に繋がったのかも
(勝手な妄想です)
ふわふわちゃん(元マドンナ)
避けられて隣の敷地に一旦退くも、猫座石から時折背伸びして時々こちらの様子を伺う
そこに彼女がいると解っていても距離が保たれていれば逃げずに背を向けて飛び石に座す白き猫の翁…
いろいろ事情があるようですが
まあまあ貴方たちも
一服しなされ
話しはそれから聞きましょう