「連休中の大安を一日空けてください」
庭師からそう言われて
こどもの日は在宅していた
朝から力仕事の唸り声が聞こえる
灯籠がやってきた
いかなるか是 祖師西来の意
庭の柏樹だね…
「吉森先生のお祝いだ」
といいつ
何度も何度も組み替えて
向きを好みに直してくれた
別々の石を組み合わせた灯籠は
部位ごとに歴史が違う
六面の火袋石には
窓が三つと丸窓が一つ
うち一つはかなり広く開けている
傘石の蕨は二つが欠け
みる角度で味が変わる
この向きしかない!
という角度に落ち着いたのは夕方
昔からそこにあるような顔をして
木漏れ日を纏い
苔むしろに座して
翌朝には然り気無く
弟子たちを迎えた
気づく弟子
気づかぬ弟子
石にも意思があるのだろうか
「無」
…無いわけが無い
庭前に趙州和尚が居るごとく
今日も喫茶去
明日も喫茶去



