先祖参り

2日は先祖参り
いつもより花を多目に
丘の上の霊園へ

まだ半分燃え残る線香から
煙とよい香りが立ち上っている
ほんの数分前まで誰かがここにいた
とても嬉しい気持ちになる

晴天の下で草を引き
水で石を洗う…
無心なのにどこか嬉しい気分

墓参りは毎日の露地掃除と
とてもよく似ている
無心と満ち足りた気持ちが
同時にあるところが似ている

年賀状をひたすら書く
あの顔この顔を浮かべて書く
宛先を書くと
あの人とこの人がこんなに
ご近所なんだ、と驚く
毎年たくさんの気づきがある

夜は映画を観る

3日は初事務
許状の申請や礼状の返信
ときどき脛部マッサージ機
初釜の客組や福引の用意

4日は初来客
仙台の茶友と薄茶を点て合う
午は庭師と一服
軸は把手共行 了庵
花は水仙
花入 永楽 徳利
香合 青子 鈴

夕方からお刺身を買い出し
上野毛の実家へ
母と三人の小正月
台所に並んでお喋りしながら
あれこれ支度をする
楽しからずや

5日は散歩で天空の農園を歩く

夕方に庭師と一服
軸は不老門 芳春院 則州筆
花は臘梅 
花入は 瓶子 信彦

夜は道具を整理する…
きりもなく夜更かし

6日は初雪を聴く
積もり積もって
車も露地も町も白的々
本当に清らかで有難い気持ちになる
そして本当に寒い

結び柳を床に掛けて整える
これにたっぷり時間を割ける年は
案外少ない
二人で楽しむ
今年の柳は新鮮で色も綺麗
しかもよくしなる…ありがとう

炉壇を手入れし
五徳を据え直し
風炉先と台子を据える

障子のさんを清め
にじり口や窓を拭く
歳暮の茶事が効いていて比較的楽…

夜は雪掻き
車に積もった雪はパウダースノー
手袋が濡れず快適すぎて
つい雪だるま⛄を作り
門の庇の下に据える

目は青い金平糖
腕は梅もどきの枝
髪飾りは千両の実を…ハニー!

雪道を徒歩で買い物に行き
初釜の懐石の一部仕込みにかかる
夜はまた賀状書き

あれよあれよと日は経つ
もう1年の60分の1は過ぎた(笑)

明日は初釜前日
嬉しくて楽しくて大変すぎて…
たぶん初釜以前を思い出せなくなる
書き留めて備忘録とする