ご報告 第21回 星霜軒 月釜茶会『星霜軒の炉開き』その1

本日の月釜「星霜軒の炉開き」で、第21回となりました。
早いもので、自宅の月釜を始めてから、二年が経ちました。
思い返す様々な場面は全て感謝に直結いたします。

日々是好日と申しますが、今日は好日です。
皆様、本当に本当にありがとうございます。

これまで、炉開きというものはもっと個人的な家庭内の茶飯事かと思っていました。
お人をお呼びして何かを見せたり、語ったりするものではなく、いうなれば衣更え、大掃除、禊のしきたりかも知れません。
事実、今週は、家にこもり、ひたすら掃除、ひたすら炊事、洗い物の繰り返しでした。

しかし思えば、私の両親は、盆も暮も正月も、いつも家庭を解放し、たくさんのお客を迎えていました。

恩師、弟子、ご近所、親兄弟姉妹、その子等に、そのまた子等に、昔の教え子に、その両親に、会社の同僚、後輩、部下、そのフィアンセに、その子等に…

血縁、地縁は限りもあると申しますが、道縁になると無窮といいます。

私の親譲りは、恥を捨て、ただひたすらに家を磨き、お人を招き、心を開く、「露堂々道(ろどうどうどう)」という求道なのでしょう。(笑)

最終席に来た母が、補聴器の不具合で途中から話が遠ざかっていたようですが、無声映画を見るように席中を眺めながら、
「あなたたち、御幸せねぇ…」
と目を細めて呟きました。
「先生のお陰様です(笑)」

毎回、感謝の大海の水底深くに、沈むように疲労をまとい、昏々と眠りにつきます。

また新しいまっさらな朝が来る前に、余力を使い、よろける筆を持つ代わり、御礼にかえて少しばかり写真をあげます。
想い出の「栞」にしていただければ幸いです。