ご報告 第21回 星霜軒 月釜茶会『星霜軒の炉開き』その2

第21回月釜「炉開き」その二

第一席は、時雨の暗くて寒い朝から始まりました。
北海道から、宮城から、と遠方よりこの日を目指していらしてくださる優しい茶友に、なんと冷たい雨を降らすことか…
と窓辺から空を見ながら、軸を代えようかなどと迷いが出る。
雲は迷いを生み、雨はため息を促す。

私の杞憂とは裏腹に、昼から晴れる予報を信じ、帽子ひとつ、傘なしで現れたカントリージェントルマン…
華やかな着物姿の婦人らを迎え、私の心が先に晴れ上がりました。

続きで薄茶に展開したとたん、外が明るくなりました。
障子を開けると露地はキラキラ…
太陽と雨のレビューは、昨夜、杉山氏が洗いたての露地をいっそう輝かせてくれました。
席入りで通れなかった露地を、お帰りにしっかり巡ってくださる皆様を見送りながら、「ゾーン30」の白ペンキを眩しさみながら、小さな人影に手を振り続けました。

今日がお誕生日の客人もいて
それぞれの好日を持ち寄ってくださったらからこその、星霜軒の好日なんだと、改めて気づきました。感謝申し上げます。