ご報告 東京キモノショー2018 ひかりの茶会 第3日目

東京キモノショー2018
ひかりの茶会 第3日目
~その1~

テーマは「星」
星になったあの人たちと、いまを生きる私たちが、共に宇宙を背景にした野点茶会で集う…、、

思い出を詰め合わせた茶箱を開きながら、エピソードを語らう…

そんなしつらいを考えました。

ひとつはモネの「睡蓮」を白い箱に描いて、オランジュリー美術館の展示室を写した茶箱

もうひとつは、日本画の東山魁夷が雪解水をターコイズブルーに描いた「谷間」を写した新作茶箱

いずれも吉森に頼んで描いてもらった私の宝物です

茶箱の「卯の花」点前を、二人がデュエットするようにお茶を点てます

花は
都忘れ
小葉の髄菜
ピンクのバラは、ピエールドロンサール
フランスの詩人の名を冠したバラ…

ロンサールの詩に
朝に咲いて夕には散ったバラをみにいき
いまを生きようと恋人に語りかける
詩があります

花入は伏見のお酒の空き瓶です
かつての酒宴の思い出をブルーに透かし
野の花を入れ
今日このときをいとしむ簡素な茶筵(むしろ)

取り出す道具のひとつひとつは
お気に入りや思い出のインデックス
語り語りするうちに
茶を飲みおわり
また小箱に納めていく心のアルバム

重箱に積めるお弁当のように
茶箱の取り合わせは
それ自体がおもてなしの気持ち

二人そろってお点前することで
自分という個のリズムから
人とあい和すリズムへ…
そして宇宙と一体になるリズムへ
呼吸にも血流にもハーモニーが生じます

45反の絹が織り成すいろの世界
天空を飾る星の輝き
背景に流れるこの日の曲は
ラヴェル作曲
「亡き王女に捧げるパヴァーヌ」

お客様それぞれが胸に宿す
星になったあの人と
宇宙という自然にたゆたいながら
野点の一碗を楽しんで欲しい

照明は中央をハイライト気味にあげて
客席は闇に沈めてみました

この日もまた洋子母(吉森母)の日日碗を
お客様に抱いていただきました

国際野点協会をつくり
方々で野点して十年が経ちました

私は日本の伝統的ピクニックを誇ります
豪勢なお肉やお酒はなくていい…
振り出しに詰めた小さな甘味と
お抹茶の粉と茶筅があれば
日常に侘び茶の心が叶う

NODATEを世界語にしたい
No Date だもの 「特別な日」ではなくて
お天気がよければ
心が欲したら
それが野点日より
日日是好日

星の数ほどの一碗が
世界を潤わせますように

東京キモノショー2018
ひかりの茶会 第3日目
~その2~

デュエット点前の続きを写真で綴ります。

ペアの組み合わせを替えると景色もがらりと変わります
着物の面積が大きいので、着こなしが取り合わせそのもになります。
キモノショーらしい変化ですね。

東京キモノショー2018
ひかりの茶会 第3日
~その3~

舞台裏~番外編
(サービスショット)