2018 夏の休日 vol.4

旅の日記 その4~

パッシー近くに住まう今回の滞在
この日はトロカデロまで歩いて
セーヌ川を渡り、エッフェル塔を(登らずに)潜り、見上げたらメトロに乗ってルーブルへ

夜9時ころまでルーブルの中をさ迷い
古代オリエントの部屋ではしゃがみこんで
ガラスにおでこを二度ぶつけるのガン見…
夥しい古代のコレクションには解説はほぼなしで
我が家のオリエントたちと
あきらかに兄弟シリーズだと分かる一日を
見つけるたびに
物そのものから、用途、造り手の意図、使い手の気持ちなど推し量るうちに時を駆け抜けてしまいました

古代の部屋はほとんど素通りゾーンでガラ空きなんですが
私たちがしゃがみこんでカメラを構えたり指差したりしていると
メジャーな見所なのかな?と気になるのか
気づけばいちいち背後にひとだかりが
できていきます(笑)

躍動感が大好きなニケさんをじっくり…
同じデュノン翼に住まうモナリザさんには
今回が四度目の拝謁
正面から好きなだけじっくり見つめ合うことが初めてできました
一日に何万人もをおむかえするルーブルの主ですから本当に忙しい方ですが
絶えず柔らかく微笑んでみえます

初対面は6歳のとき上野で…
父がその世紀の展覧会の図録を作っていたので
家族でいきました
子供ながらに父の力の入れ具合は解りましたから
ぎゅうぎゅうの列から「立ち止まらないでください❗」と連呼する係員を見ないように
許された時間のすべてをその絵の人物に集中しようと
横歩きしながら見たのを覚えています

でもその間、ずっとモナリザさんとは目が合っていて、ときどき頬をゆるませて微笑んでくれたことが脳裏に焼き付いています

父と見て
友と見て
一人でも見て
母と見て
ようやく吉森と見たモナリザ
気づけば私の半世紀に寄り添ってきた絵

小部屋でラタトゥイユを作り
クスクスとベビーリーフサラダとともに

建築を見て
絵を見て
料理する

暮らしは仕事
仕事は暮らし