稽古から

年々歳々花相似
歳々年々人不同  劉希夷

ねんねんさいさいはなあいにたり
さいさいねんねんひとおなじからず
りゅうきい

毎年この時期に掛ける軸
今年はいっそう胸に沁みます

筆は紫埜瑞峰院吉口桂堂
『再住八十四叟』とあります
私の師匠も今年八十四歳に

木曜は花の屑を踏みつつ紀尾井坂をくだり清水谷の稽古場へ…

清水谷は新緑と八重桜の濃ピンクをこきまぜた華やかな季節になりました!

行き交う人も心地良さげに木漏れ日を纏い
足取りも軽やかに見えます

人も鳥も車さえ
万象やさしく光輝いて見えます…

四月より新弟子が増えました
小学一年生になった和希くん
待ちにまった稽古初めです
この日は立ち方、座り方、歩き方
襖の開け閉め、お辞儀、席入り

これまで何年も、御姉さまの千絵さんのお迎えで見てきた所作ですが
いよいよ本番、自分のものにしていく時です
かつて茶室を駆け回ったり、端から端まで高速でにじって見せてくれたはしゃぎっぷりは消えて
ひたすら真面目に慎重に稽古に専念する姿は神々しくさえあり
急に大人びて見えます

夕方からは四年生になった千絵さん
二年生に上がった優乃介くんが見え
軸を見ながらしばらく語らうとき
『四年生ともなると、学校の同じ桜でと、なにか違って見えてきます?』
との問いに頷いている
『あまり変わらない』というのは二年生の言(笑)
ま、そうでしょうね

セーラー服の中学生も二年生になり部活に稽古にと青春真っ只中

三月に学生セミナーを経験し、いっそうお茶が好きになった智尋さんは大学も三年生になりました

大学四年生だった幸子さんはすでに社会に出られ新入社員をしています

目まぐるしくキラキラと変化する皆様を眩しく見ながら
自分の時もさらさら過ぎていくのを
髪をすり抜ける春風のように
心地よく感じています

若い世代が増えたな…と圧倒されながら
大人組が変わらずいらしてくださり
安堵します

大人たちの変化は一目では見分けられないけれど(笑)
花あい似たりと同じで
やはり少しずつ変わっています

昨夏から稽古に来ている大人の浩太さんに
ジュニアたちが軸を説明しています(笑)
『一番上の字はな~んだ
いままで誰も当ててないよ。
五番目は簡単に解るでしょ
(おいおい…仕事とらないでおくれ)

一番永い恵理子さんが
『ああ、この軸の時期になりましたね~』
と嬉しい一言を呟いてくれる

庭のハナミズキは週末には咲きそうです