袋師の三浦紫鳳(和子)先生の工房をお訪ねしました

お弟子さまで『袋を習いたい』という方がいらして、お引き合わせを理由に、予てより敬愛する袋師の三浦紫鳳(和子)先生の工房をお訪ねしました。

私自身が袋や裂について知らない者なので、繰り出される三浦先生の逸話が面白くて興奮する一方、永年の経験則による『人生哲学』を拝聴できたことは、御著書と合わせ、貴重な学びになりました。

仕事場ですからお互い平服で、とお許しいただき、先生が丁寧に煎れてくださる珈琲の香りに包まれながらの歓談。

中院通村のお掛けものは有明の月、慶翁桜の華やぎが早春を醸し、花入の寂、敷瓦の深い碧へ…と、
心はいにしえへ、かなたこなた、海や空へと旅しました。

この場所(聖地)に迎え入れてくださったお気持ちがひとしお嬉しく、
秀次の中次、裂地箪笥、筆や鋏や、やっとこといった袋を仕立てる為のお道具たち…と、

思い起こせば、一会の茶事に招かれたように、すべてが調和して目に残っています✨

表へ出て、すっかり日暮れて、夜も七時だったと分かりました。
オドロキマシタ…

超えてはならぬと言われる『ふたとき』を越える長居となっていました…(時を忘れて、とはこういうことかと)

本当に御忙しくて大事なお仕事の中、私たち三人の途上茶人に、心と命を分け与えてくださったこと、意思のDNAをくださったのだと受け止めました。

まもなく立春のこの一日を、私の宝として、ずっと胸にとどめようと、魂を全開にしていたように思います。

お話を通じて、袋は、『大切にする気持ち』そのものだと知りました。

袋は愛です。

裂は、愛の姿です。

考えぬいた先には、点前と同じように、相応しさという、真の形(すがた)が存在するようです。

ますます深く暗く静かな世界。
この深淵に潜るには、想像を遥かに越えた情熱が必要だと教えていただきました。

お茶をしていて、よかった✨☺
さとみさんありがとう✨