星霜抄
~君の名は…~
ピンポーン
『日本郵便です』
私『はい、ただいま開けます』
〒『ちわーっ、ハンコかフルネームでサインをお願いいたします』
私『よしもり・ひかり、と。はい、ありがとうございました🙂』
〒『どうもーっ🙂』
私『ありがとう』
(日本郵便さん、貴方の名前も聞いてみたいな…)
星霜軒に配達に見える日本郵便のお兄さんはイケメンです
以前は『影のある美男』でした
目線は下向き声は低く
語尾も下がりながら消え入る…
いつも『どうかされましたか?何があったの?』と聞いてみたくなる人でした
吉森にもしつこく『あんなに端正なお顔でなぜあんなに翳りがあるのかしら?』といいつのる私(煩い(笑))
日本郵便さんは
同じエリア担当でもう一人
よく日に焼けていて
明るく染めた長~い髪の
飛び抜けて元気な女子もいます❗
太陽と月みたいに正反対の空気を纏って
かわるがわるに
数寄屋門を潜る二人…
私の心の調光をくるくる変えて
遊んでいるのはだれ?
ところがあるときから
お兄さんが…少しずつ
だんだんと
明るくなって来て!
今では配達物と一緒に笑顔も届けてくれるようになりました~
他人だけど嬉しい✨
名前も知らないけれど
ほっとしちゃう✨
それにしても、日本郵便も佐川急便もヤマトの宅配便も、女性配達員が増えました
同じ制服でも女性が着ていると印象が変わります
ヤマトはソフトボールの選手みたい
佐川は体操のインストラクターみたい
日本郵便は駅員みたい…(勝手な印象です)
今後は女性も着ることをもっと意識した、ユニセックスなユニフォームができて行くでしょう
同じテニスクラブ所属のアスリートたちみたいに
チームごとに揃いのスタイルで町を若い男女が駆け抜けて行く爽やかな姿は🌰っ子たちや、町の大人たちも楽しくさせてくれるはず
なんて妄想しながら明るくなったお兄さんを見送って数寄屋門をカラカラと閉めると…
右手(上手=栗木台小学校方面)から通り過ぎ様にこちらを見上げる黄色いランドセルの女の子
🌰『あ、こんにちは』
私『こんにちは❗』
🌰『この前はお掃除を手伝わないでごめんなさい』
私『あ、この前の!?』
🌰『はい、はるこちゃんと一緒のときに話ました』
私『あら、お友だちは、はるこちゃんというのね?☺』
🌰『メガネの…』
といいながら、手のひらを平らにして前髪が真っ直ぐのおかっぱ頭であるジェスチャー
(わ!間違いない!ついに名前を知り得ました✨はるこちゃん❗内心、興奮気味(笑))
私『貴方はなんていうお名前?聞いてもいい?』
🌰『ゆきです✨』
私『まあ、ゆきちゃん!きれいな名前。ぴったり、よく似合うお名前ね』
(頭の中には白い仔山羊が細い脚で内股気味に立つ姿が見える…『アルプスの少女ハイジ』に出てくる
🎵真っ白な仔山羊~
名前はユキ❄️🎶
のメロディが流れている。イメージぴったり。)
❄️『🙂にこ』
私『ゆきちゃんはお掃除が好きなのね。また一緒に道の葉っぱを掃きましょうね』
❄️『はいっ✨』
私『にこ🙂』
❄️『にこ🙂』
…ゆきちゃんとは、なぜか静かに微笑みあうのが相応しく、会話は文字でなく、風の交換になる…
❄️『さようなら』ぺこり
私『さようなら』ぺこり
ゆきちゃんとひかりちゃんの間にある数寄屋門の格子戸を
風が行ったり来たりする
やがて下手へ去り行く黄色いランドセルを見送りながら
春にはあのカバーが取れて
みんな二年生になるんだなあと
眩しく誇らしく感じて
『ね!』と同意を求める相手を探し
向かい側の公園の
ケヤキの大木に笑いかけました
貴方(ケヤキさん)が秋に木の葉をたくさんたくさん降らすとき
ゆきちゃんと箒を動かしながら
風を交換しているかも知れない✨
暮らしは仕事
自然は先生
町は舞台
風が捲る次のページには
何が書いてあるのか
分からない
だからこんなにも毎日が楽しみ
ゆきちゃん
はるこちゃん
いいお取り合わせ…
ああ、もうすぐ立春なんだなあ