茶事にお招きした袋師の方から
手撚りの糸を手織りした木綿を
手染めして仕立てた外包みを頂きました
身に余るお品で
本当に嬉しく幸せになりました
あまりの手触りの優しさに
右脳が遠い記憶の鍵を開け
ファミリア製のおくるみを着て
両親に抱かれていた頃の感覚が甦りました
ここ数年はとくに
茶道具の袋は勿論のこと
箱の直しや真田紐の掛けかえ
さらに外包みをどう整えて行こうか思案しています
手染めの縮緬小風呂敷や
いくばくかの更紗では追い付かず
誂えも視野に入れていますが
可愛い子達が可哀想なまま季節が巡っています
そんな折りに
様々な納得を示していただきました
道具も幸せに包まれ優しい物に育って欲しい
大切な数寄道具を包んでゆったり休ませてあげるのに
使わせて頂きます 深謝
もう少しカジュアルな使い道具も
外包みが必要な物もたくさんあり…
仲良しの(かつ忙しい)テーラーさんに(ずっと前に)頼んでいた風呂敷が突然届きました!
こちらはちょっと遊び感覚ですが
リバティ製の『いちご泥棒』という定番柄のブルー系を表に使い
裏地は滑りにくい綿で袷仕立てです
衣料用の生地で摩擦や洗濯基準が日常生活並みの生地にしました
作って見ると袷は端が厚くなり
小さなサイズは結びにくいなど
様々なことに気づきます
フックやボタンを上手く使って
可愛くしてみようかしら
やってみると
本物と言われる物の有り難さや
先人の優れた感性や人間性が
立体的に立ち上って見えてきます
茶人の暮らしは
毎日が工作や美術や家庭科
暮らしは仕事
生活は実験
それにしても
かなりのんびり屋の私たちにも
道具たちの声は聞こえています…
『ねぇねぇ、かまってよ』
『開けて、開けて、外が見たい』
『頑張ったからご褒美ちょうだい』
『疲れたら静かに寝かせてよ』
『すかすかして寒いよぉ』
最近はその子たちの『思い』が
我が家に見えるお客様や周囲にまで
なんらかの『気』を送り始めているのか!と
ごめんなさいね
少しずつしかできませんが
侘びつつ数寄も頑張ります
お人と物の為に尽くす日々は
あっという間に暮れて行きますが
たくさんの葉を繁らせて
自分たちの居心地をも創ります