令和5年1月6日 社中初釜


真袖触れし
 子の日の小松
   庭に植えて
 千歳経ぬべき
   影とたのまむ
松浦皓(まつらひかる)

星霜軒がまだ星霜軒でなかった頃に
義母の掌に乗る程だった黒松の若木…

鉢植えのまま育ち
今年は数奇屋門の屋根を越えて
ふと庭師の目にとまりました

根を引く松を門松に仕立て
和歌と重ねる稽古初め

今年初の甲子の日に
道場開きをさせて頂こうと
昨年の歳晩に思い立ちました

睦月六日 
師匠(母松浦靖子)も迎えた初釜の初日
終えて着替え体力を使い果たし
短い夢を見ていました

明日(今日)もまた
全く新しい
初めての一日を迎えます
千代に八千代に続けと願うのは
未知の自分との出逢いです

道場として生まれ変わった自宅
星霜軒は今年で十年を迎えます
十年続いたのではなく
十年新しさを繰り返したのです

今年もここで
暮らしは仕事
茶の湯の釜は感謝で沸きます

甲子の夜に随筆を書き始めた
松浦静山こと松浦清(まつらきよし)は
松浦皓のお父さんです

初釜の子の日の夜に寝覚めして
  根引きの松に千代をたのまん
       まつらひかり

私の父は松浦元(まつらはじめ)
神と祀られて三十年になりました

男なら私は松浦光だったかな
ひかりは父が名付けた名前です

「はじめにひかりあれ」
聖書にありましたか

相変わらずの書き散らし
甲子の夜話を静かな
感謝の森で過ごしています