令和5年1月7日 社中初釜二日目


今年は門前に黒松を据え
床は勢いある墨書を掛けました

「鶴栖君子樹」

女性の筆と思えぬ 
竜神の如くエナジーを漲らせた字
菊と裏菊の銀襴緞子の中廻

理豊女王 筆
(後西亭第11皇女・宝鏡寺中興の祖)

狩野派の絵もされ
能書家として名の残る
紫衣を許された尼僧です
母は清閑寺共子

李嶠の漢詩「松」を起思する言葉
廊下に掛けた柴田是真の鶴の絵とともに
社中一門の長寿を祈り
志を天に向け精進を誓いました

梅花亭の花びら餅と
青さが眩しい柳を結び
松浦心月庵の「早春」竹花入に
ご縁の水仙と臘梅を入れ

宗旦好青漆爪紅及台子に
松浦の地に近い嬉野の小野珀子の金彩皆具
東福門院好の朱塗柄杓で
煮え立つ大師釜からの湯気を浴びながら
初点させて頂きました

露地の四つ目や青竹、門松に敷き松葉
飛び石の一つ一つも束子で磨かれた露地

窓も畳も玄関も階段の一段一段も
久しぶりに社中の皆で一緒に磨いて
吉森がふらふらになるまで
作り込んだ料理で迎えた初釜

どこを見てもお人の手がかかっている
清らかさと優しさに溢れた星霜軒が
有り難くて眩しくて…
茶杓を持つ手が震えました

茶杓は 松浦鎮信公の作 菊蒔絵
茶入は 松浦静山(清)手製 赤楽「福の神」

この二日は松浦三昧しました
無事に終えて
神棚の松浦のみことたちへ礼拝

慶びの絵はいつも写真に残りませんが
門前の一枚で十分です
天から洋子母もこの松を見ているでしょう
抜けるような青空にも感謝です

稽古初めとしては
二日間で終わりにさせていただきました
ご都合や体調が合わなかった方ごめんなさい
早く稽古がしたいのです

 慶びを何にたとえん
   同胞と滾る初釜
      汲み合ふ今日
         まつらひかり

有り難う御座います