ご報告 はじめての茶会 ~その2~

立礼席、社中が企画した薄茶席の写真を中心に追記いたします。

実は、この茶会の支度を正式に立ち上げたのは、5月の2週目。
GWに日本橋で開催された「ひかりの茶会」が終わった翌週、初風炉の会で花寄をしながらのことでした。
二日後には、開東閣茶会を控えての日…。
当日までは、正味、一ヶ月半しかありませんでしたが、茶室は昨年のうちから予約してありました。

日々のハードルが余りに多く、高く、先の目標まで言い出せずに、ひたすら目の前に集中しながら過ごすしかありませんでした。

それでも、皆様から異論は出ず、いっそうの力を注いでくださる姿に、誰よりも心打たれていたのは私自身でした。
お社中には尽きない感謝を、稽古場の充実でお返しして参ります。

四年前の星祭茶会の反省を活かし、外気をなるべく入れないよう、扉の開け閉めを最小限にしたり、床前をあける椅子の配置など、お客様目線に叶うため、水屋側が様々な苦労をかって出てくれました。

寄り付きで、塩レモン水を出したいと私が言えば、すぐレモン水係りが任命され、水屋では、席の合間にさっと出てきて、私まで頂戴しました。

皆が、同心円に働き、仕え合う一日は、本当に自分の社中なのかと、夢を見ているようでした。

薄茶席の軸は「喫茶去」
これは、四年前、社中の皆様から結構祝いに頂戴した私たちの宝物…、といいますか、気持ちでは、皆様から申し渡された、私たちの使命、と受け止めております。

お菓子は、濃茶が「牽牛子(けんごし)」、青餡と葛で朝顔の姿にしました。
薄茶は「星合い(ほしあい)」、柑橘と葛で短冊を象り、ピンブロウガラスの透明と梶の葉の緑を器に。ともに井上豪製。

薄茶席では、この日の為に誂えた水指の蓋。
吉森コレクションの骨貝に、竹富島の砂を使ったアクリル工芸は、社中手製。

数の茶碗には、星霜軒日日碗にちなみ、各自の暮らしに寄り添う、マイ日日碗を披露。
使う度に、この日のお客様の笑顔が重なるようになるでしょう。

濃茶の茶杓を宗浩の作、薄茶の茶杓を宗光の作で、デュエットさせて頂きました。
好き放題で恐縮ですが、寄り付きに掛けた角力(すもう)の絵のように、これが今の私たちの精一杯の取り組みです。

お客様には「はじめての会記」と星霜軒ブルーの粗品をお持ち帰りいただきました。

6名のお子さまが見えましたが、濃茶のお子さまスペシャル「お濃茶アフォガード」が好評だったようです。
一部の大人も羨ましがっていました。(笑)

支度から、撤収、片付けまで、反省の余地はたっぷりありますが、さておき、はじめての茶会のはじめての打ち上げでは、悲喜こもごもの思い出話や、新たな決意表明を聞けて、胸もお腹も一杯になりました。

3月5日の松浦社中の靖国神社茶会からはじまり、たった4ヶ月後の今回の靖国茶会までに、めくるめく茶会が怒濤のようにありましたが、お陰さまで上半期の茶会を締め括り、無事に杯を上げ、参拝でき、また道具を無事に納められた幸運と仕合わせに、深く感謝して、深く深く眠りにつきました。

49歳の春~夏は、青春真っ只中の頃にも勝る、鮮やかな旋風の季節でした。