星霜抄2023.7.29.30  ~17回目の洋子母命日 おもだか忌に寄せて~


第79回月釜は『七夕の夜と後朝』を趣向に
久しぶりの社中茶会をしました

香洋院釈声流大姉(吉森洋子母)の命日に
我が家に茶の湯を愛する人が集い
社中でお客様をお迎えするしあわせ…

星の世界との結界に住む私たちにとり
七夕の趣向は特別な意味を持ちます

立礼の濃茶席では細川幽斎と古今伝授を
問わず語りさせて頂きました

三淵藤孝の号『玄旨』の短冊
 待七夕
   灯もなお九重の雲の上に
   秋の七日の星祭るらし

わずか二寸の幅の短冊が
天の川に思えるほど
凝らしに凝らした字を宛て
鏡文字も使い
銀河と内裏を
私たちに繋げてくれる…

花はやはり『おもだか』を
池田瓢阿の須弥竹に

話の最下流の流れ着くところにある
茶杓は幽斎から古今伝授を受けた
烏丸光広を用いました
この古今伝授は薄茶席へと続きます✨

蜘蛛の糸のように
細くしなやかに続く和歌の道が
風でふわりと髪にかかるのを感じとり
しばし夜空の旅をご一緒してくれた
皆様ありがとうございます

点茶盤を白で写した天茶盤は
天球儀に習い穴を開けている
光の強さを穴の大小にして
一等星はうんと大きく開けたら
ベガとアルタイル(牽牛と織女)が
手を繋げるほど近くなった…
本当の人間関係みたい

寄皆具の青銅
星霜軒の『青の時代』が懐かしい(笑)
ターコイズブルーと緑青色を見れば
経筒でもエプロンでも手袋でも
手に入れた頃…(笑)(笑)

猛暑日ゆえいきなりの濃茶は体に堪えます
席入りしたら先ずは吉森手製の点心を…

懐かしい『お稽古ご飯』を思い出す
とうもろこしご飯や鶏の鍬焼き
香の物は恥ずかしながら拙作の若紫を

薄茶席は蛯名美鈴さん茶名披露席
町田の祥雲寺の出逢いから七年経ちました
新潟、鎌倉、千葉、都心、、、、
天寿園、恵観山荘、幕張メッセ、三井ホール、靖国、五島、武相荘…

数え切れないほど
あらゆる場所での茶席を手伝って来た
美鈴さんは百戦錬磨?(笑)

サロンを経営する傍ら
玉川学園の小学生たちにお茶を伝えて
その子たちも高校生になり
この日は客人として参会してくださいました

一人が繋ぐご縁の先に
時空を越えて心の玄をつま弾き合える
知音が待っている

その事を教えてくれる和歌と
その事を思い出させてくれる星祭り

薄茶席に八条宮智仁親王の和歌
  夏の夜ハ霜の真砂を吹く風の
  浜にも月の影ぞ涼しき

細川幽斎から古今伝授を受けた
もう一人が智仁親王です

桂離宮が大好きな私たち
菱青海波青貝銀欄に霜の真砂が煌めきます

桂籠の木槿に月字の引手香合
利斎の丸卓に古朝日焼の水指
大樋陶土斎の三鈴蓋置を
シャン…と鳴らした上手は誰でしょう?

生絹の風炉先に木漏れ日が差し込み
露地の緑を簾戸越しに眺める点前座で
きっと気持ちよいのでしょう
鏡柄杓の姿勢のよいこと…

ふくさの金魚を忘れたと
悔しがった中学生

この日の為に絽の紋付の着物を
誂えてお点前に臨んだ若者たち

みんな胸に膨らむ思いがあり
それを覚悟でギュッと固めて
また一段登って新しい景色を見る

お菓子は『みなそこ』
私たちも天の川の川底に居ます

お土産はHACHINAのクッキー
社中の木村親子の手作りブランドです

きりがないからこの辺で
続きは茶席で語りましょう

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肩はガチガチ
頭はズキズキ
それでも心はサラサラです
ありがとうございます