星霜抄
~2024.5.12仙台面白庵にて~
去る五月十二日
仙台にて釜を掛けました
永年の茶友である小谷一仁氏の
多大なお力添えを受け面白庵にて
星霜軒の第86回目の月釜
『伊達な星霜軒』星霜軒in仙台 』
数年前から伊達家ゆかりの道具との
えにしが積み重なっていました…
仙台は鈴木宗保先生の故郷
宗保先生が茶の道を選びとる
きっかけにも繋がるよう
時代は江戸初期
伊達班の初代茶頭となる清水道閑へ
春屋宗園が持たせた法語の一軸を掛けました
(お軸の里帰り)
馬祖と龐居士の逸話…
花入は霊昭女籠にいろいろの花
仙台の煎茶茶道の菊地南厚先生が
丹精の花をお差入くださいました
旅先で七種の花を揃えられるなんて…
奇跡はいつもえにしから生まれます
(着物だけはちょった派手やか?
正宗公へのお目通りとして
白装束ならぬ青装束で(笑))
『今年からは釜ひとつ掛け物ひとつ携えて行脚の茶の湯をいたします…』
年頭に初釜で述べましたが早くも
ひとつ叶いました
古今の道縁のお陰様です
亭主であると同時に
温かく迎え入れて頂いた一会でした
行く先々に迎えてくれる茶友があり
集ってくださる客人があり
その土地の花や鳥や風が
ありのままに私たちを迎えてくれる
優しくて穏やかで
広々と凪いだ旅でした…
鶯に見送られ星霜軒の門を出てより
満開の山藤を抜けて
真っ直ぐ真っ直ぐ夢に向けて
青熊号で走りました
前日は裏千家十四代家元夫人
嘉代子様ゆかりの仙庵に座し
今日は面白庵の茶道口に立つ不思議
思い返すと
背負えるだけの荷物ひとつきりで
この星を一人で放浪していた頃から
私はまだ一度も
生まれ変わってはいないはず…
それがこんなにも
日々新たに生かされている
いま星霜の雲水は同行二人
青笹の蓑笠に代えて
青熊号が一台いれば前途は無了
疲れたらときどき木陰で一休み
次は何処へ繋がるのか
またえにしが教えてくれるでしょう
一口の西江水を干菓子に閉じ込めてくださった、まめいちの幾世橋さん
新幹線で菓子を持ってきてくれた
梅花亭の井上さん
星霜軒ワールドに付き合って一緒に創作してくださり感謝
仙台のみなさま
また東北各地からも
関東からも島根からも!
この会にいらしてくだった皆様
その豊かな優しさに感謝です
水屋を手伝いに来てくれた
頼もしいお弟子さん友梨奈さん
お昼休みにお弁当を調達して
お味噌汁のお鍋を抱えて来てくれた…
私たちの仙台の女神である裕美さん
客から水屋まで亭主以外の全てを
支えてくださった私たちの福の神である岩渕さん
お二人がフェルメールの絵画になりましたね✨
ありがとう仙台
ありがとう伊達様
ありがとう優しい人たち
毎年行きたいです
これからもよろしくお願いします