仙庵・茂ケ崎庵にて ~星霜抄2024.5.11~

仙庵・茂ケ崎庵にて
   ~星霜抄2024.5.11~

風薫る五月
仙台での茶事に招かれました

淡々斎宗匠ご夫妻の
茶の湯への愛と創意がこめられた
憧れの茶室『仙庵』で
私たち二人だけの為の茶事…

茂ケ崎庵の大玄関に
二足の草履がぽつりと並ぶ

大広間の寄付きに人語はなく
ただ薫風と鶯に囲まれるのみ

臥龍の松をくぐり
立礼の仙庵に入れば
翡翠色の森からの風が渡り
露地のエメラルドが映り込む

森が私の中に入ってくる
仙庵に座して魂は森の奥にいる

風土を物語りする祝膳の素材
ここに至る全てが有り難く
総身に受けるこの恩恵が
不思議でならない

いずれゆっくり
この日の随想を書き留めたい
そろそろSNSを卒業しよう

松風を聴きながら
魔法のような時間が
ゆっくりゆっくり
心を撫でるように
過ぎて行く

瑞松から見る赤松の肌が
刻一刻と変わり行く

二人で吸い付くした一碗に
ここまでの道のりとこの森の
全てがはいっていました

そうか
私たちも奇跡なんだ

そして星霜軒がまた
新たな絵本になりました
『 ふしぎな貝殻の話』

心の目で見つめてくれる人がいる
ありがとう
嬉しいです
生きていてよかった

本当によかった

相楽裕美さん
加藤亜紀子さん
心優しいお仲間たちへ