2018 夏の休日 vol.14 最終回

旅の日記 ~その14~

最終回

今回はオペラ鑑賞の機会はありませんでしたが
オペラガルニエは劇場そのものが芸術で美術品

当時35歳でオペラ座の装飾を総指揮した
若き奇才ガルニエの手腕を拝見するには
オーディオガイド(日本語あり)を借りての
セルフツアーが充実します

マイペースに回れるから
居たい場所に強弱をつけて回れます
空いているところから回れます
演目の観客として来ると入れない場所があり
また見ている時間がありません

この日は舞台装置を設営していて
公演がなかったので
運よく見学ツアーがありました
(いつもみられるとは限らないので、私も初めてでした❗)

とにかくオーディオガイドの中身が濃く
分かりやすく臨場感があり
関係者のインタビュー形式での説明は
本当に面白い!
トークショーを聞いたような充実
さすがオペラ座です

このオーディオガイドのコンテンツが乏しかったら…
演目への期待も萎んでしまいますよね

サロン、ホール、中央階段、ロビー、桟敷、図書館、美術館、バルコニー、天井、燭台、シャンデリア、銅像、肖像画、衣装展示…

見所が多すぎて目が回ります(笑)
ガルニエ氏の気合いが痛いほど伝わって来ます

オペラ座の予習をたっぷりしたので
次回はファントムの為の五番のボックス席から
オペラやバレエを見に来ましょう

「オペラ座の怪人」の物語にあるような
シャンデリアが落ちる事故はありませんが
シャンデリアを支える大きな金具が落下して
婦人が亡くなる事故がかつてありました
物語はそこに着想したのかも知れないと…

ちなみに天井のシャガールは
後年上書きされた絵で
建設当初は別の絵でした

劇中、ファントムが階段で
ドン・ファンの戯曲を投げつけるシーンは
この階段かしら…とポーズしながら撮影

オーディオガイド中にも出てくる
「金(きん)が多すぎる!金が多すぎる!」
と会計を困惑させたガルニエの装飾は
実は凹凸のてっぺん近くは本金で
へこみは金の絵の具で塗っています

予算軽減のためでなく
この方が平面的になりがちな金のレリーフも
高い位置までくっきり陰影が立ち
より美しく見える為に採用したとか

用の美…
足りないからこその工夫と
美しさ至上主義は
相反することなく両立することができる

ガルニエくんに学ぶこと多しです

オペラ座ツアーで締め括り
小部屋に帰って荷物をまとめ
佳子さんのリゾットをいただいてから
一路、シャルルド・ゴール空港へ

ここから長い長い乗り物ツアーを経て
翌日の深夜に星霜軒に無事到着
お陰さまで充実しつつ穏やかな旅が叶いました

安らぎの空間とあたたかいもてなしを
くださった佳子さんご夫妻
旅立ちにご協力くださった皆様
留守を守ってくださった庭師の杉山さんにも
尽きない感謝を送ります