「星霜軒一日二碗」其の一

「星霜軒一日二碗」其の一
断れない人がいる。
二〇一一年、裏千家茶道の研修で春夏秋冬の二十日近くを京都で共に過ごし、以来九年間いつも心のどこかにいる仙台の茶友。
「約束なしでも、行ってみれば会えるさ」という彼特有の軽やかさのお蔭で、これまで幾度思いがけぬ邂逅を繰り返してきたのだろう。
星霜軒の一碗目は、「日々碗(にちにちわん)」です。
仏壇の母に数千碗の献茶をしてきた、僕の「嘆きの茶碗」に、ひかりが「人を繋ぐ茶碗」という新しい命を与えてくれた。
僕の母とひかりの母の共通点の一つは、萩好きなこと。
以前、茶会で使う茶碗を義母が選ぶのに立ち合った時、似たような萩がいくつも並んでいて思わず苦笑したが、気づくとこちらが笑われるようになっていた。
楽茶碗を宇宙に例える人もいるが、萩茶碗は宇宙に浮かぶ惑星のように見える。
もう一碗は、三輪休和。
お菓子は母の好物、自家製芋羊羹。
なお正式名称は「3日間一服リレー」です。