2020.05.12 和敬清寂日記
~緑さす~
露地の柚子の花が香り始め
白シャツ一枚でも汗ばむ薄暑に
日に日に窓の緑が濃くなり
蹲に水を求めて来る小鳥たち
日差しを避けて夕方の栗木緑地へ
木漏れ日を纏うなら白い服で
宮沢賢治の詩を思い出す…
『ほんとうのしあわせ』の意味
走り根をわたり
鶯を聞く
美しい世界に生まれたお陰で
何が美しいかを知ることができる
世界の美しさから
一瞬も目を離してはいけない
微笑み方も
話し方も
歩き方も
佇み方も…
光、水、風、が教えてくれる
分かったと思ってもすぐに迷う
美しさは自然と照らしあってこそ
存在するのだから
日常は、どこかに在って
そこへ戻るべきものなのかしら…
そうではないはず
自分が行くところ
無言のまま
影のようについて来ているのが
本当の日常で
暮らしなんでしょう
2020.05.12 和敬清寂日記 ~緑さす~
