東西訪問記 〜琵琶湖ドライブ〜

琵琶湖ドライブ

蒼から薄紫へ橙色へ緋色へと移り変わる
ほんの一時間の空のレビュー!

夕焼けはいつどこで見ても呆然としますが
琵琶湖の水辺は特別でした
これまで見た世界中の景色を巡らせても
琵琶湖畔に勝る場所は‥‥‥
というはまり具合なんです(ピタッ)

静止画に見る透明感だけでなく
諏訪湖や富士五湖より波や風が穏やかで
動的にも伸びやかで優しさがあります
日本の湖より海外が思い出されます

カンボジアのトレンサップ湖や
ペルーボリビア国境のチチカカ湖のよう
浮島やコテージなどで
水上に暮らせそうです
神の降臨伝説は必須の景観

日没直前の浮御堂を眺める
波のない湖面に浮草が見えていたのが
紫色の闇に追い付かれて
やがて向こう岸の灯りが光だす

近江八景「堅田の落雁」が名高いですが
ここでは雁に会えず

しかしこの日の朝
石清水八幡宮に向かって三川合流の地に向かう際に
ちょうど桂川を渡っているそのときに
頭上を幾百羽の雁が過って行きました
運転していなかったので窓を開けて口も開けてしげしげと飽かず眺められました
雁たちの歓迎パレードに感激しました

浮御堂を見てすぐにベトナムを思い出した
ハノイのホアン・キエム湖にも
この原型と思える御堂があり
柳影と蓮の花が脳裏にフラッシュした

美濃焼のルーツは専門家がなんと
唱えるかは別として
私はベトナムにあると信じる
志野の白釉、織部釉の緑、絵付も手付鉢も
ハノイのタンロン遺跡と発掘品展示を見れば
「そのまんま」とさえ思う
織部はライムポット特有の持ち手や穴や
用途不明の不思議な陶器に
深く魅了されたに違いない

高麗人気の行き着く処に奥高麗があれば
唐物探しの先には奥唐物?(笑)
タンロン遺跡は時代時代の征服と復古の歴史がそのまま幾重にも重なり押し花になった
ミルフィーユ遺跡
一年くらいは側に住んで眺めていたい場所

琵琶湖から世界へと心は旅する
やっぱりここは「海」なんだ

夜も更けて鷹峯に向かって山を越え
しょうざんリゾートの楼蘭で中華を
少し冷えた体を暖めてから
部屋で薄茶一服、二服の幸せ

お菓子は朝のうちに手に入れた
八阪さんイチオシの

#丸に抱き柏さんの塩豆大福でした
本当に美味しいです

今回の旅の目的のひとつは
京都の地形を体感することでした

鷹峯から見る都と
比叡山の向こうに広がる淡海(琵琶湖)
近江八景に残る左府さん(近衛信尹)の視線
男山から見る三川合流の大動脈‥‥
松花堂と淀屋の距離感
これらが感覚的に解らないと
ちっとも読み解けない歴史のエピソード
人間関係の心の距離は
消息や遺物だけでなく
地形を加味しないと誤解が生じる

星霜軒から地続きにある京都
玄関を出てからこの地まで自力で来てみて
地図が立体カラー模型に変わりました!

目で見て
足で歩いて
風を受けて
空を仰いで
太陽を感じて

古の先達茶人が感じた景色を
わたしの頭の中に描けるように
少しなれた気がします

さてこれらの実感を加味しながら
ますます妄想数奇勝手ワールドを展開し
星霜軒に来てくれた古人たちと語らう
傳理荘(オンライン月釜)をいたします

40歳までは海の外ばかり見てきました
半生は地続きを旅して参ります
ご縁をいただいた皆様を
小さな青熊号で訪ねて行きます

八阪さん
重ねてありがとうございました✨