星霜抄
~鳳来の茶事2023.12.2~
吉森洋子(義母)逝去より17年…
7月30日の命日(沢瀉忌)近くになると
毎年墓参いただいている芝鳳先生
私たちは小唄を習ってはいませんが
『心意気の師匠』と永年お慕いしています
今夏は諸事情あって見送り
『年内にお墓参りと、智浩さんのお料理を頂きにあがりますね』
のお言葉通り師走の一会となる
迎えに出ると、墓苑の方から
明るいさんざめきが流れて来て
柔らかいピンク色の着物姿が見えた…
暖かな小春日和で良かった
クリスマスツリーで始まる懐石
向付は福原の家(靖子母の実家)の赤絵皿
白いNAANテーブルに赤富士の折敷を置き
嘉永年製の朱塗椀にて白いユリ根饅頭
この日は紅白を幾重にも重ねたくなる
田中信彦の白磁に脂の乗った鰤を盛り
露地の緋色の灯台躑躅を一枝、添える
桃山織部の手付皿に鳥丸と根菜と青菜
八寸には鴨の鍬焼と葱焼き…略
菓子は手作り紫芋羊羹に柿
(薩摩芋は洋子母の好物で供養)
床の古筆には女性の細筆
辰年の正客を重ねて
龍頭の船花入を高々と浮かべ
花は西王母椿と猿捕茨(笑)
(仙人にも三蔵法師にも見えてくる)
金銀彩の千鳥風炉先
たが袖棚に扇面水指
古膳所茶入に誂えた双魚紋金襴を着せ
茶杓は松平不昧室、より子作
薄器はエメラルド入の金蒔絵の雪吹
炉縁は雪の結晶蒔絵
高野釜
唐子三人形蓋置
東福門院好の柄杓…
常に華やかでスケールが大きく
光を放ちながら人々を導く鳳凰✨
…という芝鳳さんのイメージを思うだけで
つらつら自然に出てきた道具たちです
いついつまでも輝き飛翔して欲しい人
いつも逢うだけで元気をいただいています
珠さん光江さん孝之さん
楽しい会話と優しい時間を
ありがとうございます
今も天に詠う洋子お義母さん(芝鳳昶)
芝鳳先生に私を引き逢わせてくれて
ありがとう
『鳳来の茶事』は『蓬来の茶事』
これにて今年もまた
佳き年になりました