都立大学 茶道研究会 初釜

都立大学 茶道研究会 初釜
 2024.1.20 南大沢キャンパス7号館和室
私にとってもう1つ
とても大切にしている初釜茶会は
都立大生の稽古始めです

コロナ禍で二年、初釜を休みましたが
再開時には以前よりも深い所に
手が届くようになりました

この変化を私たちは永年ひそかに
祈っていました

学生の初釜は学生主催ですが
昨年からは初席で私たちが点前するよう
変わりました

経年の傷みが進んでいた真台子を新しくして
炉の台子で重ね茶碗をしました

吉森が点前し私は半東(とカメラ)
学生の代表と副代表が客役に
部員全員でそれを見る形式にしました

これをゼロ席と呼び(笑)
続く第一席目には主客を交代し
私たちが客としてもてなされます
全く同じ室礼で同じ点前…

互いの役割と視点を交換することは
その心根を同じくすること
コロナがいろんな面で
変える、変わるきっかけをくれました

皆具や軸や花入れは私たちからの祝言
気合いを入れて持参します🤭

学生たちは部屋を清め台子を構え
釜に湯を滾らせ
菓子を用意し茶を篩い
水屋を整然として待ち受けます

部屋ににじり入った瞬間の空気で
どれほど掃除したか
どれほど準備したか
驚くほどに分かるものです

今年は国際棟の数奇屋茶室『恕庵』が
使えないアクシデントがあり
さらに学館和室のキッチンにも
水回りの工事が突如として入り!
当日も断水の憂き目を見ました…
(部外者の私が、そんなーっ、酷すぎる、と叫びそうになりました)

しかし、開催1週間前の突然の通告にも
学生にひるむ者はいませんでした

粛々と『水汲み』から始まる初釜には
本当の淑気が漲っていました
水が少ないからこそ清浄さを大事にします

ゼロ席のために用意された水屋は
清潔そのものでした

初めて都立大学に指導で来た日の水屋を
思い出しました
(…水屋棚にうず高く詰まれた
スマホとノートとペットボトル…
 今も目蓋に残るあの時と同じ部屋かと)

計り終えた濃茶がきちんと並び
余計な空き箱や雑物私物は皆無でした

その佇まいに呆然として
吉森が点前する間もほの暗い水屋で
心地よく座していました

床の間には大宗匠の一行『光華日日』
花は紅梅と白椿
花入は六閑斎の『雨龍』
香合は部室収蔵品のぶりぶり相生の絵

真台子に釉裏金彩皆具が映り込み
島臺の金銀が頬を照らす

何より学生たちの晴れ着姿が
一番の光と華でした
この日々を大切に過ごして参ります

この日、勝手に床飾りに持参した
織田有楽斎(如庵老)の曾孫の茶杓…
国宝『如庵』写しの茶室『恕庵』が
今年は使えなかった代わりに
少うし有楽斎に親しみを出せればと
吉森が懐に忍ばせて来ました

『貴重な茶杓だから』と機転を利かせて
盆に飾ってくださいましたか……?おや、
見れば八卦盆に! 
(部室にこれを備えているとは、
なかなかやるな💧使い方は未知)
まだまだ伸び代がありそうですね🤭

受付や寄付も工夫を凝らし、『福寿』を掛けた清潔な部屋で
熱々のほうじ茶を頂けました

さらにさらにサプライズで
立礼の薄茶席を別室に室礼してあり
熱々大服の薄茶を和気あいあい…

陶芸家の叔母(古賀福代)は
孫世代の茶道部にすっかり馴染んで 
仙台からの賀客や
社中の仲間も集い、客を楽しみました

『薄茶をもう一服いかがですか?
十分な用意がございます🙂』 
と、忝なくて涙が出ます(泣き笑いです)

呈茶席には納屋宗淡宗匠の自筆短冊が
(懐かしさで、お船でご一緒した航海の思い出など語らせて頂きました)

こちらの花は男子部員の投入れです
毎度イキイキしてます✨
(お、花男子、髪の毛も紅くなって綺麗…🤭)

寒さや乾きはすっかり癒えて
新春やら青春やら…
春っていいなと心身潤いました

ありがとう
今年もよろしくね
この先の階も
皆さんとご一緒に
登ってみたくなりました

さて次は卒業茶会