炉を開いて一段落して
露地の紅葉が燃え出す頃に
毎年ひとつだけ年をとる夫…
(ひとつしか年をとらないところがのんびりし過ぎである)
誕生日にはいつもの会話を繰り返す
昨夜、日付が変わるころ…
『お誕生日おめでとう。今日は何がしたい?』
『のんびり…』
『はい、のんびりしましょう』
夕処朝遊賓主没
大灯様と堂々と朝寝して
小春日和のお昼間に
ぽかぽかふわふわ目覚めて
窓を開けるとハワイのような風
足下は唐紅の一壺天
梅見門の下には光を聚めたような
真っ白な生き神が横たわる…
(お待たせしました)
ブランチは先ず白猫神へお供えし
私たちはお汁粉から始まりました
のんびりお茶して
のんびり掃除して
のんびり洗濯して
のんびり買い物して
具沢山の味噌汁を作り
紅鮭を焼いて
果実をたくさん頂きました
冬物の普段着のセーターを一枚
庭仕事に着てくれたら嬉しいなと
出会った頃は36歳くらい…か
かれこれ二度目の辰年も暮れるころ
ずっとリアルで
共に過ごして来れたんだ
私たち以外は誰も気に止めない
これは奇跡
夜の帳がおりる頃
炭代を振り込んで
抹茶を注文して
母と電話して
茶友とやりとり…みなスマホ
一緒にいても離れていても
のんびりしていても年をとる
のんびりしていてもお腹は空く
せかせかしてても同じこと
でものんびりしないと
時のうつろう真味を味わえない
一緒にいないと
今日のリアルを思い出せない
うつろいのおもてなし
いつもご馳走さま🙇♀️
追伸
師走の16日に私も年をとる
58歳になるとばかり思っていたら
これから57歳になるらしい…
57歳だと思って過ごして来た
今年の春、夏、秋、立冬への思い、、、失われた56歳の一年はどこへ消えたのだろう
残りの二週間、
56歳を生き抜きます😢
(手帳にも思いっきり間違って書いてある『58th』…)
数字に囚われないようになれたかな💧














